ブルーバレンタイン 映画の英語のセリフと名言、ネタバレあらすじ、レビュー
ブルーバレンタイン(2010年)
結婚して7年が経ち、かつては深く愛し合っていたものの、気持ちがすれ違うようになってしまった夫婦の関係を、リアルに切実に描いた映画です。
この映画のユニークなところは、夫婦の関係が破綻する過程と交互に、二人の恋愛の始まりのシーンが挿入されること。
過去と現在のシーンが入れ違いに出てくるので、下手をすると混乱してしまいそうですが、主役の夫婦を演じたライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズが達者で、若い時期と7年後の時期を巧みに演じ分けているので、大丈夫でした。
こういう物語の展開をしていくことで、むしろ夫婦関係の終わりの切なさと、恋愛初期の美しさとがどちらも引き立って、感動的なものに仕上がっていると思います。
映画「ブルーバレンタイン」
あらすじ(ネタバレあり)と英語のセリフ、名言
若い頃のシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)が、仲の良い祖母と恋愛について話をするシーン。
彼女には大学の同級生のボーイフレンドがいますが、本当の恋愛はしたことがありません。
彼女が祖母に向かって言うセリフです。
「両親のようになりたくないわ」と言います。
get out of the way 退く、どく
ここでは両親の愛が全く冷めてしまっていた、というために使われていますね。
そういうシンディに対して言う祖母の言葉が印象的でした。
You gonna be careful ~
ここでは「気をつけなさい」という意味で使われています。
愛のない両親の間で育ったことで、
「どうやって愛情を信じたらいいのかわからない」
というシンディ。
それに対し、
「愛を見つけるにはその感情を持つことだよ。ただ相手には気をつけなさい」
という祖母。
それから程なくして、シンディはディーンという青年(ライアン・ゴズリング)に出会い、恋に落ちることになります。
ディーンはシンディに一目ぼれをします。
ディーンが彼女のことについて友人に語るときのセリフです。
love at first sight 一目ぼれ
you gotta dance 踊り出さずにいられない
この gotta は 口語で have to ~ ~しなければならない、と同じ意味で使われます。
ある曲がかかると踊り出さずにはいられないように、彼女を目にした瞬間に心が躍り出したということを、ディーンは言っているのですね。
シンディはその時他の男の子どもを妊娠していたのですが、ディーンはそれを承知し、彼女に結婚を申し込みます。
二人の恋愛初期のシーンは、とても優しい愛情に満ちていて感動的です。
しかしそれから7年が経つ頃には、彼らの関係は元々の価値観の違いが妨げとなり、うまく立ち行かないものとなってしまった…。
ふたりの間には絶望的な溝があり、そのことに苛立ったディーンがシンディの職場に酔っ払って押しかけ、彼女を怒らせます。
その際にシンディがディーンに向かって投げつける言葉です。
done with ~ ~を終わりにする
I got nothint left for you は「あなたに対して何も残っていない」、つまりあなたをもう愛していない、と告げているのですね。
そんなシンディに対して、「娘のフランキーのことも考えろよ」とディーンは言います。そのセリフです。
we are treating each other like this
私たちがこんな風にお互いを扱っている
ここでは二人が傷つけ合っていることを指しています。
二人がお互いの関係を何とか立て直そうと努力しながらも、最後には破綻してしまうのが悲しい。
でもそのラストシーンに重ね合わせて、彼らの結婚式のシーンがフラッシュバックのように挿入されます。
若い頃の二人の表情の、清々しく美しいこと。
その輝きの余韻が、胸を締めつけます。
恋愛の終わりと始まりを同時に描いたことで、その恋愛のかけがえのなさが引き立つ、稀有な映画だと思います。