ファミリー・ツリー 映画の英語のセリフと名言、あらすじ(ネタバレ)
THE DESCENDANTS(2011)
ファミリー・ツリー
ジョージ・クルーニー主演。
ハワイに暮らす家族の絆を描いたドラマです。
ハワイに住んでいるというと、まるで楽園にいるかのように思われるけれど、現実の生活はそういうわけでもない。
普通の家族と同じように、様々な苦労や問題を抱えている。
事故で昏睡状態に陥った妻。
それをきっかけに明らかになる衝撃的な事実。
ジョージ・クルーニー演じる主人公のマークは、平和だと思っていた自分の家庭が足元からバラバラに崩れてしまうような絶望に陥ります。
彼は娘達ととともに、もがきながら家族の再生への道のりを見つけ出そうとする。
その様子がハワイの美しく雄大な風景をバックに、時にユーモアを交えながら描かれています。
映画のあらすじ(ネタバレ)
マット(ジョージ・クルーニー)は、弁護士としての仕事が忙しく、家庭を顧みない生活を送ってきました。
彼は実はカメハメハ大王の子孫であり、カウアイ島に莫大な土地を所有しています。
彼は親戚たちを取りまとめるリーダーとしての役割を務め、その土地を売却しようとしていました。
そのため大忙しのマットでしたが、ある日、妻のエリザベスがボートの事故で昏睡状態に陥ってしまいます。
マットは10歳の次女、スコッティとともに、離島の学校の寮に住んでいる17歳の長女・アレックスを迎えに行きます。
英語のセリフ、名言
マットは自分の娘が他の島に住んでいることを、
「ある意味で自然なことのように思える」と言います。
マットのセリフです。
archipelago 群島
drift apart 離れて漂う
マットのこの言葉には、娘たちとの距離感が表れています。
彼は今まで家庭のことは妻のエリザベスに任せっきりにしていたため、娘たちとの心のつながりを築いてきませんでした。
エリザベスが植物人間になってしまった今、マットはその事実に初めて向かい合うこととなります。
マットは長女のアレックスから、「お母さんは浮気をしていたのよ」という衝撃的な事実を告げられます。
信頼を裏切られて、ショックと怒りを感じるマット。
彼はアレックスに協力してもらい、妻の浮気相手を突き止めようとします…
その過程において、アレックスのボーイフレンドのシドも一緒に参加することに。
マットは娘との距離を図ろうとして、シドに彼女の考えることを尋ねます。
マットとシドの会話のセリフです。
all this stuff これらの物事
それに対して、シドが答えるセリフが印象的でした。
issue 問題
deal with~ ~に対処する、~を取り扱う
shit 俗語(スラング)で、ひどくいやなもの、を指します。
「僕たちはお互いの抱えている問題については話さない。他のことを話したり、楽しむことでやり過ごすんだ」
シドは最近父親を亡くしているのでした。
アレックスとシドとは、始終ふざけ合っているばかりのように見えましたが、心の内ではお互いに深い悲しみを抱えているのですね。
現代っ子らしくクールに冷めているようでも、一緒にいることで悲しみを癒し紛らせようとする、彼らなりの方法に胸が切なくなりました。
マットは「浮気相手探し」を通して、娘たちとの距離感を徐々に縮めていきます。
扱っているテーマはシリアスでありながら、物語のところどころでユーモアが効いていて、またバックに流れるハワイの音楽が明るく、重たい雰囲気にはならずに軽妙に綴られます。
ハワイの大らかな大自然に包まれるような映像がすばらしい。
マットたち家族は絆を取り戻すのとともに、自分たちのルーツも確かめていくことになります。
マットは、やはり先祖から受け継いだ土地を売らないことを決意します。
彼のセリフです。
be tied to~ ~に結びついている
愛する妻が植物人間になり、さらに彼女の浮気を知ってしまった夫が、絶望状態でもがきながらも、徐々に娘たちとの絆を取り戻していく。
同時にハワイという美しい土地との結びつきも。
家族の、愛と死と再生の物語。
妻の浮気相手をとうとう見つけ出し、その家に乗り込んでいくシーンなど、人間の心の弱さや暗い影の部分、葛藤も巧みに描かれていました。
そういうすべてをおおらかに包み込むハワイの空気感が心に残る映画でした。
最後に妻のエリザベスに、マットが別れを告げるシーンのセリフです。
マットは眠ったままのエリザベスに、この言葉を囁いてキスをします。
愛する人の真実を知り、痛みとともに受け入れ、理解し、許すこと。
そして別れを告げること。
ひどく悲しく涙がこみあげてきました。