リトル・ミス・サンシャイン 映画の英語の名言、セリフ、感想とレビュー
LITTLE MISS SUNSHINE
リトル・ミス・サンシャイン
ちょっと風変わりで、おかしな家族・フーヴァー一家の物語。
変わり者揃いで、問題を抱えるこの家族が、9歳の娘のオリーヴのビューティー・コンテスト出場のために、一家でカリフォルニア目指して出発することになります。
その道中において起こる様々な事件を、協力して乗り切りながら、バラバラだった家族の思いが団結していく。
全体的にユーモラスで笑ってしまいますが、心に染みる名言や名セリフも多く、ほろりとさせられました。
映画のあらすじ(ネタバレあり)
アメリカのアリゾナに住むフーヴァー一家。
父、リチャードは
「この世には二種類の人間がいる、勝ち組と負け組だよ」
というのをモットーにしていて、ことあるごとに勝ち組・負け組論を持ち出します。
いかに勝ち組になるか、いかに成功するか、それが人生において一番大切なことだと考えているようです。
そんな父親にうんざりしてか、長男のドウェーンは全く喋らなくなってしまいました。
彼は誰とも口をきかずに、筆談でしか話をしません。
おじいちゃんはヘロイン中毒者で、それが原因で老人ホームを追い出されたため、家族と一緒に住んでいます。
さらに、伯父でゲイのフランクが、失恋して自殺未遂を起こし、この家族の厄介になることになります。
こんな感じでくせ者揃いの家族なのですが、母のシェリルは一家をまとめようとがんばっています。
そこへ、9歳の娘のオリーヴが美少女コンテストに出場することになり、一家はオンボロ車でカリフォルニアに向かうことに。
彼らのロード・ムービーの珍道中が描かれています。
英語の名言、セリフ
彼らの旅の途中では様々な事件が起きます。
父・リチャードは事業を始めようとしていたのですが、その計画がだめになってしまいます。
自分があんなにも嫌っていた「負け組」になることで落ち込むリチャードに、おじいちゃんは「何はともあれ、わしはお前の挑戦を誇りに思うよ」と励まします。
そのセリフです。
on one's own 自分自身で、自分ひとりの力で
category カテゴリー、範疇
例え失敗したとしても、挑戦したこと自体がすごいことだし、ガッツのいることだ。
普段はおちゃらけてばかりのおじいちゃんなのですが、事業に失敗して落ち込んだ息子にかけたこの言葉は、名セリフだなあと思いました。
美少女コンテストに対して不安な気持ちになり、泣き出してしまうオリーヴ。
そのときにも、おじいちゃんが彼女をなぐさめます。
彼らの会話のセリフです。
パパがことあるごとに「負け組」説を持ち出すので、オリーヴは負けることが怖くなってしまったのですね。
大きな目に涙をためるオリーヴが健気でかわいそう。
それに対して、おじいちゃんがこう言います。
「本当の負け組っていうのは、負けるのを恐れて挑戦しない奴らのことだよ」
おじいちゃんの名言に胸が熱くなってしまいました。
本当にそうですね。
その後のオリーヴの笑顔にとても可愛らしく、心がほんわか。
しかしその後、おじいちゃんが旅の途中で急逝してしまうのです。
この悲しい大事件に、一家は旅を中断しかけますが、父・リチャードは
「おじいちゃんはオリーヴの美少女コンテストを見たがっていたんだ。一緒に連れて行こう」
と言います。
「あきらめるわけにはいかない」と言うリチャードのセリフです。
そこで一家はおじいちゃんの遺体を病院から盗み出し、車に隠してカリフォルニアへ運ぶことに…
悲しいような、おかしいような。
泣きたいような、笑いたいような場面でした。
一致団結した一家は、苦労の末にとうとうビューティーコンテストに間に合います。
しかしそのコンテストは、幼い少女たちが化粧をして美の勝ち負けを競い合う、どうにも不自然な大会でした。
そのいたたまれなさに大会を抜け出したドーウェンは、伯父と語り合いながらこう呟きます。
勝ち負けにこだわる競争社会に、嫌悪感をもよおすドーウェンのセリフに共感。
その競争社会を象徴しているかのようなビューティコンテスト。
その大会に、家族みんなで乗り込み、結局ハチャメチャ騒ぎにしてしまいます。
家族みんなのオリーヴへの愛情が伝わってきて、笑いながらも胸がじんとしてしまいました。
故障した車を、みんなで押しながら、協力して乗り込んでいくラストシーンには涙が出てきました。
変わり者揃いの、バラバラだった家族が団結し、ポンコツ車に乗り込んで前へ進んでいこうとする。爽やかで心が温まるラストでした。