姉のいた夏、いない夏 映画のあらすじ(ネタバレ)、英語のセリフ、レビュー
姉のいた夏、いない夏
THE INVISIBLE CIRCUS (2001)
姉の死の真相をつきとめようと、ヨーロッパへ一人旅にでる女の子の物語。
姉妹の絆、そして1人の女性の心の成長を描いた良作だと思います。
映画のあらすじ(ネタバレあり)
フィービー(ジョーダナ・ブリュースター)は高校を卒業したばかり。
彼女は7年前にヨーロッパへ旅立ち、ポルトガルで命を落としてしまった姉、フェイス(キャメロン・ディアス)の死から立ち直れないでいます。
フィービーは姉の死の真相を知ろうと、母が反対するのを押し切って、ヨーロッパへ1人旅へ出ます。
まずアムステルダム、そしてパリへ。
そこにはかつて姉の恋人だったウルフ(クリストファー・エクルストン)が住んでいました。
フィービーはウルフと再会し、姉についての話を聞きます。
フィービーが姉の足跡をたどるためにポルトガルまで行くつもりだと聞き、ウルフは彼女を心配して、一緒に行こうと言います。
英語のセリフ
フェイスとフィービーは年が離れているけれど、強い絆で結ばれた姉妹でした。
フェイスはヨーロッパに旅立った後で、フィービーにポストカードを送ります。
そこには旅へ高揚する気持ちが書かれていました。
what's ahead 先に待ち受けているもの、これから起ころうとしていること
turn 順番
it would be your turn
あなたの番が来るでしょう
これから待ち受けていることにワクワクしている感じが伝わってくる文章です。
当時は1960年代の学生運動の真っ最中。
フェイスがヨーロッパに旅立ったのは、本格的に活動に参加するためでした。
しかし、活動を続けるにつれて、徐々に飽き足らなくなり、フェイスは過激派に参加することになります。
彼女はある建物を爆破する活動に関ります。
しかし誰もいないと思っていた建物内に人がいて、その人が死んでしまったことがわかります。
その人には幼い子ども達がいました…
フェイスはそれを知って激しくショックを受けます。
自分が世界を良くするためと信じて行っていた活動の最中に、誰かの父親を殺してしまった。
フェイスは自分のした事に耐え切れず、ポルトガルの崖から飛び降ります。
フィービーは姉の死のこの真相を、一緒に旅をする中でウルフから聞かされます。
姉を理想化していたフィービーは、驚き、悲しみますが、姉もまた、自分の手の届かないものを一生懸命に追い求めていた一人の女の子だったのだ、という事実に気がつきます。
フィービーのセリフです。
escape ~を逃れる
reach (手などを)伸ばす
「姉は自分自身が耐えられないことをしてしまうまで、探し求めていた」
耐えられない事 something that she can't live with とは、建物の爆破により、人を殺してしまったことを指しているのですね。
フィービーにとって、大切に想っていた姉の死の真相を知ることは、大きな痛みを伴うことでした。
姉の対する理想の崩壊。
でもフィービーが姉の影響から脱して、自分自身として生きていくためには必要な事だったのですね。
フィービーの旅はそのまま心の旅でした。
どこかからフェイスが妹を優しく見守り導いていくかのような物語に感動しました。